ないものは、つくりだす。

海をこよなく愛する離島初心者が綴る、離島で感じるあれこれ。時々、ものづくり。

離島初心者。だからこその視点で離島にまつわることを綴ります。 時々アクセサリー作りなんかも、ちまちまと。

つながりたいのに、つながれないもどかしさ。

観てきました、聲の形。

koenokatachi-movie.com

ネタばれは極力控えつつ、感じたことを書きます。

(ちょっとでも気になってしまう、という方はお読み飛ばしを!)

 

 

 

人に向けられる感情の力というものは、

向けられ受け取った本人の「これまで」に全て左右されて、

つらい、うれしい、かなしい、たのしい、おもい、くるしい…と

様々な名前の付いた感情になって、心に着地するのだと思います。

 

もちろん、感情の重さも、人それぞれ。 

その着地した気持ちによって、その人の次の行動が決まる。

 

自分の心のアンバランスさを気づかせてくれるのって

それは、おそらくほぼ、自分以外の人です。

だって自分と他人との感覚に「ズレ」があるから、お互いにそう感じる。

ごく当たり前のことです。

そのズレを伝えて、言われた当人が傷つくのか、

「むしろ教えてくれてラッキー♪」とケロッとしているのか、

すべてこれまでの経験に基づいて、受け手の中で感情のジャッジがくだる。

 

この映画には、自分の思いを抑え込んでしまう人や

他人の気持ちなどお構いなく、思ったことを口にする人。

波風立てたくなくて逃げてしまう人。

どんなことがあっても、相手を信じる人。

言えばキリがないけれど、だれの中にでも湧き上がる感情をもつ人が複数出てきます。

 

みんなに共通することは、「相手とつながりたい」という思いが

心の奥深く、無意識にあること。

人は一人で生きていけない、という言葉にもよくあるように

社会の中で生きていれば自然と沸き起こる感情なんだと思います。

 

この映画では、自分なりに「相手とつながること」をやってみた結果、

「つながりたいのに、つながれない」という事態がおこってしまう。

 

これ、本当に私たちの日常にある普通のことで

子供から大人まで、誰しももどかしく思ったことがあるテーマでは

ないのかと思います。

 

ずっと考えてきて自分なりに思ったことは

「しっかり相手に向き合い、相手に伝わる伝え方を考えていくことが大切」

でしょうか。

 

当人同士で起こった問題は、

結局のところ当人たちにしか解決できないのだと思う。

 

そこに向きあっていける人はいいと思うけれど、

完全にシャッターを下ろしてしまう人、

相手を傷つける言葉を必要以上に投げつけ自己防衛してしまう人、

色々いると思う。

だけど、その態度に出る人を私は完全なる悪ではないと思う。

それぞれの状況が、そうさせている・そうせざる得ないというジャッジを下しているかもしれないから。

そうしないと、その時を生きられないと心が判断したから、そうしたんだと思うし。

一概に決められないな、と思う。

 

ただ、相手と向き合っていこうと思えれば

今までは自分の内側だけで完結していた結果が、

関わる人の数だけ新しい結果となりうる可能性をあふれさせるのでは、

とも思えるんです。

 

できるのであれば、色々な人の考えた方や思いを知れた方が

前の記事にも書いたけれど、

自分を浮上させるための「知恵や考え方引き出し」になるかもしれません。

 

そんな場って、もしあったら息苦しさの緩和や

自分のバランスの取り方とか、少しずつ楽になるのかな?

ただグチを言ってスッキリより、建設的なアクションを起こしていけるのであれば

そんな場を作ってみたいなーと、思いました。

 

 

もとい。

この映画は、すごく色々な感情を揺さぶられ

人によっては、心の中を引っ搔き回されるような風に思うかもしれません。

(現に私も一瞬そう思ったぐらい、めまぐるしいのです)

 

言葉を話して理解できるならコミュニケーションもできて当たり前は、

みんなの理想かもしれません。

もちろん、そうできると、私もすごくいいと思います!

 

この映画は

「つながりたいのに、つながれない。じゃあ、どうすればいい?」

を探すキッカケになる映画だと思います。

 

私は、ぶつかってきてくれる人にも、つながりたい人に対しても

ちゃんと心から向き合いたいと、そう再確認させてくれた映画でした。

 

誰かともっと寄り添いたいとか、

ちょっと生きづらい・生きづらかったとか、

少しでも思う方は一度観てはいかがでしょうか?

私たちの周りにある、とても身近な、

でもどうしたらいいのか言葉にしづらいテーマを

とても上手く描いた、大人にとっても大変有意義なアニメーション映画だと

私は思います。

 

「君に、生きるのを、手伝ってほしい」

恥ずかしいけど、かみ砕けばこういうこと一理あるかも。

生きていくには、やっぱり誰かと生きていきたい思いがあるし

寄り添うためには、伝えたい聲を聞いてほしい誰かのために

時にはぶつかっても、お互い届けあわなきゃ通じ合えない。

いい時も悪い時も、思いを通わせていく

それがコミュニケーションなんだと思います。

 

・・・まぁ、個人的にはこのセリフの初々しさが、

とっても青春な感じで良いと思いました♡ 笑

 

ご興味ある方は、劇場でご覧になってください。